公開日:2020/05/21
更新日:2020/11/22
5月19日、タイ政府は経営危機に陥ったタイ国際航空の法的整理を閣議決定しました。
新型コロナウィルスの影響によって「国を代表し、国際線を運航している航空会社」で政府の支援を受けやすいナショナルフラッグキャリアが経営破綻するのは初、今後は事業を継続しながら債務整理やリストラを行い経営再建を目指すことになりました。
”新型コロナウィルスの影響で経営破綻”と上述しましたが、タイ国際航空が経営破綻した理由は別にもあります。
タイ国際航空はナショナルフラッグキャリアとしてタイ政府から51%の出資を受け、格安航空会社(LCC)とコロナ以前から競争を繰り広げていましたが、ここ3年は赤字が続きすでに債務超過状態でした。
タイにはタイ国際航空のほかに、ノックスクート、エアアジアX、タイライオンエアなど低価格を売りにした格安航空会社があります。これらのLCCがタイ国際航空の国内線や国際線の市場を奪っていました。
タイ国際航空チャクリ・パラプンタックル副会長兼社長代理は、再生プランがタイ政府により承認されたと発表。
この再生プランは、タイ中央破産裁判所と破産法に基づき実行されるが、その間も通常通りのフライトの運航を継続する。
タイ国際航空の再生プランは、解散、清算、または倒産するということを意味するものではないとのこと。
既に購入済みの航空券も引き続き有効だそうです。
タイ・プラユット首相も記者会見で「政府は経営再建を全力で支援する」と述べています。
世界各国では航空会社の経営破綻が相次いでいますが、格安航空会社やヴァージンオーストラリア航空のように9割が外資である為政府の支援を断られた航空会社の経営破綻が主でした。
それが以前から債務超過があったとはいえナショナルフラッグキャリアであるタイ国際航空が経営破綻となったのはちょっとした衝撃でした。
現在タイは6月30日まで国際フライトの制限中。
しかもこの制限は何度も再延長されており、本当に7月1日からタイへの国際線フライトが再開するかも見通しが立っていません。
政府の支援が受けやすいナショナルフラッグキャリアでもこの運航中止の長期化には耐えられませんでしたが、私のようなナイトライフ旅行者の強い味方エアアジアやスクートは耐えられるのか、いや耐えて欲しいところですね。