公開日:2020/12/20
更新日:2020/12/28
上山田のスナックに通っていると仲良くなったタイガールから焼肉を食べに連れて行ってくれと言われることがある。

焼肉と言えば豚肉や鶏肉もあるがやはり牛肉のカルビやロースを思い浮かべるのではないだろうか。
ちなみに肉と聞かれて豚肉と答えるのは東日本、牛肉と答えるのは西日本の出身と特定できるらしい。
しかしタイでは牛肉の消費量は低く、豚肉や鶏肉の消費量が圧倒的に多いことはタイ好き以外の人には意外と知られていない。
タイでは観音信仰を持つ仏教徒が多いことが理由の一つだ。
観音様の出家に反対した観音様の父親が牛に生まれ変わったと信じられている。つまり観音様の父親に敬意を表して牛肉を食べないことが多い。
無宗教者の多い我々日本人には理解が難しいかもしれない。
観音様の父親が転生しすぎな気もする、そんな罰当たり的な思考を持ってしまう。
さらに宗教以外にも理由がある。
農業従事者が多いタイでは、農作業の手助けをしてくれる動物である牛を食べるのはよくないという考えを持つタイ人も多い。

農業従事者にとって牛は農機具の代わりであり財産の一部だ。
牛を食べてしまうということは農作業が行えなくなってしまうことを意味する。
こういった現実的な理由もあった。
上記2つの理由もあってかタイ国内において牛肉の需要が少ないため、タイ産の牛肉は硬くて美味しくない場合が多く、そもそも美味しくないという理由で食べるタイ人が少ないこともある。
しかし最近は2011年に日本産牛肉の輸入が解禁されたこともあり、タイの牛肉事情にも変化が起こっている。
バンコクやパタヤなどのショッピングモールのフードコートに日本の牛丼チェーンである吉野家やすき家など牛肉を扱うお店が進出しており、タイ人にとって牛肉も身近なものになってきている。
私が滞在したパタヤでもファラン(白人)向けという理由もあったかもしれないが、牛肉をウリにしているステーキ屋やハンバーガー屋を多く見かけ需要は大きいように思えた。
今まで何度も上山田のタイガールと焼肉屋へ行ったが、日本の牛肉は美味しいのでぜひ牛肉を食べたいと言うタイガール、そんなに仏教を信仰していないから牛肉を食べるというタイガール、母親は教えを守って牛肉は食べないけど私は食べると言うタイガールと様々だった。
もちろん強く仏教を信仰しているので牛肉は絶対食べないと言うタイガールもいたし、タイの牛肉は不味いので牛肉自体嫌いになったと言うタイガールもいた。
私の感覚だと若いタイガールや都市部育ちのタイガールは牛肉を食べる傾向、ちょっと熟女枠に入っているタイガールや農村部育ちのタイガールは牛肉を食べない傾向にあると感じた。
住んでいる地域によって裕福度や生活様式、仏教への信仰度が違うので当然のことと言える。
宗教上の理由は日本人にはなかなか理解しづらいことである。
私も焼肉へ行きたいと言われて連れて行ったのにそのタイガールは牛肉を食べられず、サイドメニューばかり食べているケースもあった。
みなさんも上山田のスナックでタイガールを食事に誘うときはその辺りも頭に入れて誘ってみて欲しい。
余談になるが、仲良くなったタイガールを食事に誘うときは焼肉か寿司に誘えば基本大丈夫だと思う。
一つ留意点として今回取り上げた牛肉が食べられるかどうかと同じで、生モノが食べられないタイガールもいるので寿司は拒否されることもある。