公開日:2020/06/26
更新日:2021/03/13
いまだ世界各国で感染拡大中の新型コロナウィルス。
多くの国が鎖国状態となったことで4月上旬の時点で世界各地で運航された航空便の本数は昨年に比べておよそ80%減となっており、5月19日にタイのナショナルフラッグキャリアであるタイ国際航空が破綻したことで多くの関心を呼んでいる。
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タイ国際航空だけでなく、オーストラリア第2位のヴァージン・オーストラリア、イギリスのフライビー、コロンビアのアビアンカ航空などが既に経営破綻した。
観光旅行やビジネス目的の国際線フライトに客が戻るまで数年かかると見られており、中小の航空会社やLCCに限らず大手の航空会社などでも経営破綻を起こす可能性が高くなっている。
LCCは使用機種の統一、無料サービスの廃止など徹底したコストの削減、座席数を多くした座席配置などによる低価格を売りに成長してきた。
しかし、各国政府は新型コロナウィルス感染拡大防止の為、3列席の中央席不使用など今後航空機内のソーシャルディスタンスの確保を各航空会社に要求することになると見られている。
仮に3列席の中央席を不使用にした場合、私がよく利用するエアアジアXのエアバス330ー990を例にすると全377席(プレミアム・フラットベッド12席、エコノミー365席)で、フラットベッド席は6席使用とし、エコノミー席は238席で合計は244席。
仮に244席全て乗客が搭乗したとすると全377席に対して約65%の搭乗率であり、LCCの場合搭乗率70%が採算ラインと言われている為5%足りない。
※ちなみに大手航空会社は60%が採算ラインと言われており、使用機種が違う為一概には言えないが、この計算だと一応採算は取れることになる。
いずれにしても人気路線に乗客を満席になるほど搭乗させるLCCのスタイルの継続は難しく、乗客数を制限する以上値上げも十分に考えられる。
上記の計算はあくまで参考として考えてもらいたい。
このような動きを察知し、国際航空運送協会は3列席の中央席を使用しないのは感染防止に効果があるとは考えられないとし、機内でのマスク着用を勧告すると発表している。
新型コロナウィルスによって格安航空会社の空の旅に転換期が来てしまったのは非常に残念で仕方がない。
我々タイ好きはもちろん、タイからやってくるタイガール達にも影響が出るのは必至だが現状では今後どうなっていくのか判断はつかない。
新型コロナウィルス感染拡大が終息しても以前のようにLCCで気軽に海外旅行へ行けるまでにはまだまだ時間がかかることは確かである。