公開日:2020/12/03
更新日:2020/12/15
NTTドコモは菅政権による携帯電話料金の引き下げに向けた圧力を受け、ニューノーマル時代を切り開いていくデジタルネイティブ世代にフィットした新プラン「ahamo」を2021年3月に提供を開始すると発表した。
先に発表されたKDDIのUQモバイル、ソフトバンクのY!モバイルなどのサブブランドでの新プラン発表ではなく主力ブランドでの発表となり、あくまでギガホ・ギガライトとは別のプランである。
デジタルネイティブ世代というのは全く意味が分からないが、発表されたプランを月額料金が一緒の1年無料と最近話題の楽天モバイルと比較していきたい。
Contents
サブブランドではない、ドコモの主力ブランドのプランであり、ギガホ・ギガライトとは別のプランである。
ネットワークは当然ながらドコモの高品質なネットワークをご利用でき、4Gだけでなく5Gにも対応する。
・月額2,980円(税込3,278円)で20GBまで
・20GBを超えた場合1Mbps通信に制限
※月間データ容量は1GBを税抜き500円(税込550円)で追加可能。
・通話5分まで無料
※月額1,000円(税込1,100円)で国内通話かけ放題
・2年の契約期間縛りなし
・新規、機種変更、MNPによる事務手数料無料
・5Gネットワーク利用可能
・海外82カ国での利用も20GB対象
・SIMのみ契約可能
シンプルで安い、ざっとこんな感じである。
UQ、Y!モバイルは20GB月額4000円前後の新料金を発表しているがahamoプランはそれらの料金はそれを大きく下回っている。
次に月額利用料が同じ、「1年間無料」で最近なにかと話題の楽天モバイルのプランと比較したい。
まず月額利用料はどちらも同じだが、楽天モバイルは先着300万名を対象に1年無料キャンペーンを実施中(2020年11月現在で160万名申し込み済み)。
すなわち今のところ楽天モバイル1年目は1年間の料金の39,336円はかからない。
Rakuten Linkアプリを使用し電話をかけると国内通話は相手がRakuten Linkアプリを使用していなくても固定電話、携帯電話関わらず無料になる。
しかしRakuten Linkアプリは従来の音声通信VoLTEとは違ってIP電話の一種であり、Wifi環境下意外だと音質が従来の音声通信と比べるとやや悪い。
データ通信に関してはahamoが20GBに対して楽天モバイルは無制限であるが、これは楽天回線エリアでの使用に限った話で東京や大阪などの都市圏以外では実質au回線を使用したパートナー回線の5GBと考えてもらいたい。
しかも楽天モバイルのパートナー回線であるauローミングが楽天回線エリア拡大により順次終了しており、繋がらない地域も出て問題になっている。
データ容量超過後の1Mbpsの通信制限についてだが、1MbpsならLINEやメールの使用は全く問題無く、Webブラウジングはページ内容によってはややもたつきがあるかもしれないレベル。YouTubeは360pの標準画質ならほぼ遅延なく閲覧できる。
5Gネットワークはまだまだ普及していないので現時点では特に気にする必要はないと思われる。
1年無料の楽天モバイルはインパクトが大きい、しかも楽天回線エリアが日本全国に拡大されればデータ無制限でやや通話音質に不安はあるが楽天モバイルに軍配が上がると個人的には思う。
さらに楽天市場をよく利用するなど楽天経済圏で生活している方はポイントアップなど恩恵は大きく、eSIMを利用できるのは大きなメリットだ。
しかしパートナー回線のローミング終了における圏外多発やほぼ月1度に発生する通信障害など楽天モバイルは後発のキャリアなだけに不安は常に付き纏っていることを考えれば安心のahamoを選択するのは悪いことではない。
値段か安心どちらに重きを置くかがポイントである。
だったら私は多少払っても安心のahamoにする、今までギガホで払っている分より安いし、とahamoを選択する方もいると思うが注意点もある。
・キャリアメールは使用できない
・ファミリー割引、ドコモ光セット割、dカード割は適用外
まず「@docomo.ne.jp」といったキャリアメールの提供はない。
サブブランドではなくあくまでギガホ・ギガライトと同列のプランの扱いなのにキャリアメールが使用できなくなるのはイマイチ理解できないが。
大勢が連絡手段をLINEなどに切り替えた現在でも今までキャリア乗り換えや格安SIMが気になっていた方は、それまで使用していたキャリアメールが使用できなくなくなるがネックで乗り換えなかったということも多いと思うが今回も同じなので慎重に判断が必要だ。
自宅のインターネット回線もドコモでまとめている方や家族でドコモを使用して家族割が適用されている方は割引がなくなるので注意だ。
新規契約や契約後の手続き、相談などは全てWebサイトやアプリでのみ受け付けるとのことでドコモショップでのサポートは一切ない。
支払方法は、口座振替またはクレジットカード払いのみとなる。
この辺りは格安SIMと同じで全て自力で行わなければならない。
今までの料金はサポート料が込みでやや高めに設定されていた側面もあるので、値段が安くなる分サポートがないのは当然のことだ。
それでもahamoという方にはもう一つ注意点。
サービス提供は2021年3月からである。
サービス提供開始に先立ち、現在ドコモでは提供開始日の前日までに先行受付を開始している。専用サイトから電話番号とメールアドレスを登録しサービス開始後にahamoを契約すると3,000円分のdポイントが進呈される。
今回は楽天モバイルと同じ値段設定にした新プラン発表だったので楽天モバイルと比較した。
ahamoの他にも2021年3月頃をめどにドコモもサブブランドの提供を開始するということでKDDIやソフトバンクは主力ブランド・サブブランドを含めてプランを練り直しが必要になるだろう。
これで武田総務大臣の「ユーザーに料金が下がった実感が湧かないと何の意味もない」との不満も少しは軽減されるのではないか。
ただこのドコモのahamoプランが楽天モバイルやサブブランド、全ての格安SIMキラーになるかと言われたら疑問は残る。
シンプルなプランとはいえ、各種割引なし、キャリアメール使用不可、窓口でのサポートなしのネット限定プランだと今まで重い腰を上げなかった層が簡単に契約をしないんじゃないか。
それだけ保守層というか知識がない年配層は変化を嫌うし、自分ではプラン検討しよう考える人も少ない。こういった部分がデジタルネイティブ世代=若者向けという部分なのかもしれない。
私は楽天経済圏で生活しており、eSIMが利用できることが楽天モバイル利用の決め手になったので楽天モバイルを応援したい。

つらつらと書いてきたが私が一番言いたかったことはahamoのロゴってamazonに似てない?である。